東風(こち)【三春の季語】
これは菅原道真の太宰府で詠んだ句により、かなり知られている季語でしょう。
西高東低の冬の気圧配置が、春型の移動性高気圧になってくるとその後には低気圧が発生し、日本列島では東方面から西に向かって風が吹き始めます。
春風は一般的な呼び名だとすれば東風(こち)は、そのなかでも吹きはじめの頃の寒気がゆるんだ程度の風になるでしょう。
東風吹かば にほひをこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな 菅原道真
春風【三春の季語】
春に吹く風。特に東または南方面からの、暖かい風を云います。
西高東低の冬の気圧配置が、移動性高気圧になってくるとその後には低気圧が発生します。
その気象条件で吹く風が、東から西に向かうものです。
春風や 堤長うして 家遠し 与謝蕪村
風車【三春の季語】
風を当てたり、息を吹きかけて回す玩具です。
古くからヨーロッパにも中国にもあり、日本には平安時代に入ってきたとか。
縁日の風車売りの風景で、沢山の風車が風で廻っているシーンは、古き良き日への憧憬となります。
街角の 風を売るなり 風車 三好達治
遠足【晩春の季語】
春の遠足、懐かしいですよね。
本当の意味では、遠足は春にも秋にも夏にも、そして冬にも行くものなのですが、俳句の季語としては、遠足は春になります。
ちなみに運動会は、秋の季語です。
遠足の 女教師の 手に触れたがる 山口誓子
潮干狩【晩春の季語】
潮干狩りには、陰暦の三月三日前後の大潮の頃が一番良いと云われていました。
現在の太陽暦だと4月の初め頃ですが、その頃になると水も温み、潮風も肌に心地よくなります。
青柳の 泥にしだたる 塩干かな 松尾芭蕉
利茶(ききちゃ)【晩春の季語】
茶の銘柄を当てることを「利き茶」といいます。
聞茶は、新茶の香りから、出荷前にお茶を選別する意味です。
最近はそのものズバリの商品がでていますよね?
絵襖の 古き牡丹に 利茶かな 高浜虚子
春の風邪【三春の季語】
余寒や寒気のぶり返しから、春になるとひいてしまうのが春風邪です。
冬の風邪に対して風流に読まれることが多いそうですけど、油断すると長引いてしまい余病が出てきてしまいがちなので、気をつけてくださいね。
病にも 色あらば黄や 春の風邪 高浜虚子
布団着て 手紙書くなり 春の風邪 正岡子規
春の夕【三春の季語】
春の暮、春の宵とともに、春の夕暮れ時です。
春の暮は、ほぼ同じ意味。
春の宵は同じ時間帯でも、夜につながるニュアンスが強いようです。
等閑に 香焚く 春のゆうべ哉 与謝蕪村
彼岸【仲春の季語】
春分の日、秋分の日を中日としてその前後三日ずつの七日間を彼岸といいます。
仏教では悟りの境地のことのようですが、聖徳太子の時代からこの時期には彼岸会と云うものが始まったそうです。 寺や墓に詣でたり、寺院で行われる読経や法話に参加する季節♪ 春と秋の年に2回、涅槃彼岸に近づくための努力を習慣としていたのでしょう。
こうした風習は仏教の先輩である中国やインドにはないもので、ここでも聖徳太子からの歴史への影響が見られるようですね(^^)
命婦より ぼた餅たばす 彼岸哉 与謝蕪村
余寒【初春の季語】
この余寒と云う言葉は、意味としては春になってから思わぬ寒さがやってくることを表しているのだが、元々はどうやら漢詩から来ているようですね。
杜甫の詩等にも使われています。春の衣服に着替えてからの寒さは特に、残っていた冬の寒さと出会う印象がありませんか?
ひなどりの 羽根ととのわぬ 余寒かな 室生犀星
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